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【イケメン戦国】私と猫と

第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)


湖からすれば、自分のせいで怪我をさせたという思いがあるのだ

家康は、その言葉に先ほどの事を思い出す

突然現れた鈴の姿の湖
大名の置いていった木箱を咥え走り出した時に、あの箱の正体を悟った
湖を捕まえられなかった
池に落ちていく湖と木箱を見ていたとき時が止った錯覚があった
急に現れた上杉には驚いたが、そのおかげで湖は今もここにいる
だが、謙信が怪我をしたのは湖のせいじゃない…
もともとは、上杉領地の大名が企てたもの
それに巻き込まれたのは湖だ
その湖が率先して爆発に巻き込まれたんだ

「あんたが、気にする必要は無い…」
「でもっ」
「お人好し…解んないかな?あんたは巻き込まれたんだ、上杉は元々敵対関係。あの大名は結局上杉領地で信長様を葬ろうと企てたこと…あんたは怒ってもいいくらい…だ…」

家康は言い切ろうとしたが、湖を見て止ってしまう
湖は、瞳を見開いたままぼろぼろと涙をこぼしていた
その潤んでいる目に家康が映っている

「っ、あんた…何で泣いてるの…」
「っな…、泣いって…な…い」
(どうしたら、それを泣いてないっていうのさ…)

ため息を漏らすと、家康はその場に座って湖にも座るように言った

「何?…聞くから…言いなよ」
「っ……、だって…家…やす…、怒って…」

ヒックヒックと、途切れ途切れ話す湖にまたため息を漏らすも、手を引き自分の中に囲うようにすると、子供にするように背中をさすった

「…あんたに怒ったわけじゃない」
(巻き込んでるのは自分たちだ…)
「…ひっく…だって…すごい…怖い顔…」
「…怒ってない…」
「…ほんとに?」
「…そう言った…」
(…なんで……なんで、湖に泣かれてこんなに困ってるんだ…)

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