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【イケメン戦国】私と猫と

第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)


織田陣の自分とは、敵対関係の人間だが…

(今日の謙信さまは、前と違った…あの着物、持ってくれば良かったかな…)

謙信から送られた着物は政宗の意向で、あの城へ置いてきた
怪我の詫びだという品、一枚でも持ってきた方が良かったのでは無いか…
そんな思いが、湖の頭を占める

湯を上り出ると、そこには家康が用意してくれたであろう着物
それと、家康が

「?!…な、家康?!ちょっと…」

急いで湯へ戻ろうとするも、片手をつかまれ背中を丸めるようにそこに縮こまるしか無くなる湖

「…立って」
「っ、む、むりですっ!」
(なんで、ここにいるの?!)

「…あんたの肌は、もう何度か見てる…気にならないから、立って」
「っ、、、家康は、気にならなくてもっ私がするのっ!無理っ!出てってっ!!」

上から盛大なため息を落とされ、その吐息が背にかかりビクリと揺れる

「風邪引く」
「着替えるから、出てってくださいっ」
「無理」
「っ…どうして…」
「信長様に、怪我の有無を確認するように言われているから」
(はい?…怪我??)
「解ったら、立って…すぐに終わらせるから」

ぐいっと、手を引かれその場に片手を持ち上げるように立たされる

「きゃっ…」

隠せる部分を隠した湖は、その診察がさっさと済むようにと目を閉じて耐えている

「…大丈夫だね…新たな外傷はなし」

家康はそういうと、手ふきを湖の頭に掛け廊下へと出て行く

「…待ってるから、着替えて出てきて」

湖はへなへなと、そこへ座り
湯とは別に上がった体温に戸惑った

(私…ここに来て一体何度裸を見られてるの…もぅ、、恥ずかしくて耐えられない…)

涙を浮かべながらも、用意された着物に手を通す
それは初めて着る着物だった
淡い黄色地に桃色の小花が散った着物

(かわいい…)

明るい気分になれそうなその着物は、湖の好みに合致したもの
桃色の帯を締めて、先ほど洗った髪飾りを手ふきで拭き取ると自分の髪に飾る

(まだ乾いてないけど…これ取ってたら、信長さまに何か言われそうだし…いいか)

チリンっと音を立て廊下に出ると、先ほど言った通り家康がその廊下の壁に凭れて待っていた

「…遅い」

(っそうだ…家康が待ってるって言ってたんだ)
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