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【イケメン戦国】私と猫と

第28章 桜の咲く頃  四幕(十二歳)


佐助との関係性が、本当の兄では無いことは理解している
だが、この数ヶ月、彼は本当に湖の兄だったのだ
風呂から就寝、途中からこれらは避けられたものの
湖を本当の赤子の頃から見守っていた異性は佐助だけだ
もともと佐助と湖は現代仲間
お互い秘密を抱え心許せる友だったが…
今や佐助にとって湖は、目に入れても痛くない存在になってしまっているのだ

「兄さま、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。私だって危険な感じはなんとなくわかるよ?」
「いや。湖さんは…俺の妹は、限りなく素直で騙されやすいので、俺は兄として君を守ると…改めて誓うよ」
「…改め無くても…兄さま…なんだか、シスコンっぽいよ」
「何とでも言っていい。シスコン…そうだな、俺はシスコン。それでいい」
「えっ、いやいやいやいや…っ、兄さま!?」

佐助の今までに無くぶっちゃけな発言に、湖は驚く

「しすこんとは、なんだ?」
「シスコンとは、正式名称「シスターコンプレックス」女姉妹に対して強い愛着・執着を持つ状態をいう。俗に「シスコン」と略され、この場合は、女姉妹に対して強い愛着・執着を持つ兄弟姉妹自体の事を言います…俺は執着する質(たち)じゃないんだけど、 湖さんは別。新生児の頃から見てきたからか…俺にはもう可愛らしい妹にしか見えない。妹に変な虫はつかせない」

白粉の質問に、佐助が流ちょうな回答を口に出すと、湖は真っ赤になってため息をつく

「兄さま…」

半分呆れたような眼差しに

「大丈夫だ。俺は、君を守りたいだけだから」
「…ほどほどにね。兄さま」
「……」
「湖、しばらくそっとしといてやれ。佐助は、お前の身体の成長に心配が増しただけだと思うぞ」

返答しない佐助の変わりか、信玄が苦笑しながら答えると
「あぁ、確かに…それもある」と佐助から聞こえた小さな声
兄の無表情を見て、湖はもう一つ小さくため息をついた

「おーい、佐助。何止まってんだっ!さっさと、こっち戻ってこいよ」
「今行く」

幸村から声かかり、前を向けば
登竜桜はすでに敷布に座り酒を飲み始めているのだ
にやにやと、こちらを見ながら
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