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【イケメン戦国】私と猫と

第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)


政宗は何か思い詰めたように話す

その表情に小さな震えに湖は言葉を発することを忘れ、ただ見つめ、ただ耳を澄ますのだ

「目の前で、死んじまうなんて…許さない…」



ぽつり、ぽつりと、政宗の言葉が湖の体に染みこむように落ちてくる

(政宗…政宗が、こんな風に話すの…初めてだ…)
「…うん…ごめんね…」

政宗の頭に手を伸ばし、両手で引き寄せる
こどもをなだめるように、髪を撫で抱きしめる

「政宗…心配かけてごめんね…」
(でも…私、おんなじ事があれば…自分ができることがあれば、またやってしまう…きっと、同じように…ごめんね、政宗)
「心配してくれて、ありがとう…」

ぎゅうと、政宗の頭を抱きしめれば、政宗の手が伸びてきて背中に廻される

「お前…また同じ事があれば、やるだろう…」

胸元で政宗が口を開く
湖は、躊躇したがすぐに「たぶん…体が動いちゃう」そう答えると、政宗は鼻で笑うと「だろうな」と返した

「…いいさ、好きに動け…俺が助けてやるさ…」

軽く首に噛みつき舐めると、湖は驚いて身を引いた

「ま、…っまさむねっ」

ひっくり返る声、真っ赤な顔

「前に、指導してやったのを覚えているか?」

ニヤリと笑って見せれば、湖の顔はさらに赤くなる
何を思いだしたのかは明白だった

「今度は、仕置きだな…心配させた仕置きだ」

腕の中にいる湖の体を横たわらせ、その上に乗ると湖はすぐに横を向き逃げだそうとした
その姿に忘れていたことを思う出させる

「そういえば…謙信に何もされなかったのか…?」

ピクリと、反応したのを政宗は見逃さず眉を顰めた

「…されたのか?何をされた?」

下に囲った湖は、首を振って「さ、されてないっ!」と否定するが湖の否定の仕方に怪しむ政宗
その視線に耐えかね、政宗をちらっと見ると湖は口を開いた

「…ちょっと、押し倒されて…でも、謙信さまは傷跡を確認してただけで、それ以上は…あとはあの箱の事聞いて夢中で、鈴にお願いして…あの部屋に」
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