第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)
想像はつく
話を聞いて、どうして鈴の姿になったのかも解った
時間から考えてもその通りなんだろう
「お前…鈴になれなかったらどうするつもりだったんだ…」
(こいつは、鈴に変われることに頼りすぎだろう…)
「え?んと…そんな事考えたことない…もう、慣れちゃって…」
えへっと、笑って見せる湖に政宗はあからさまに怒って見せた
「…んなんじゃ、いつ誰に襲われても文句言えねえぞ…」
政宗は湖の両手首を片手で頭上に縫い止め、反対の手で襟元を広げた
「?!ま、まさむねっ」
湖は、突然の動作について行けず動けずにいた
「…ほらみろ…」
そのまま首に噛みつくように口を落とし、羽織に手を掛ける
「や、政宗っ、やめてっ!」
シュ…
湖の肌から羽織が滑り落ちていく
鎖骨から胸に向かっての薄く柔らかい肌
ふっくらとした胸、薄く色づく頂
羽織が落ちて行くにつれ、湖の体が目に映し出される
「やだっ、やだってばっ!!政宗っ」
半泣きの湖は、足をばたつかせ抵抗を見せる
「…謙信に…こうされてたかも知れないんだぞ…」
「?!っ、だからって、やめっ…」
強引に唇を奪い、深く息もつく暇も与えない口づけをする
「っは…んん…っ」
最初は激しく抵抗したものの、角度を変え時間をかければ、抵抗の声は甘い吐息に変わりつつあった
ちゅっ…ちゅぅ…
最後に軽く啄むように口づけを落とせば、湖は熱い息を吐いた
「…はぁ…はぁ、」
紅潮し視点のままならない表情で政宗を見つめ尋ねる
「…なんで?」
「なんで?」
政宗がそのまま返せば、湖は続けた
「なんで、政宗は怒ってるの…?なんで…口づけするの?政宗は…私のこと、すきなの?」
「…何でだろうなぁ…」
返答を濁せば、湖から一筋の涙がこぼれる
「…私…前に政宗に抱かれて…考えてた…考えて、政宗の事気になって…」
「好きになったか?」
ニヤリと笑う余裕が悔しい気持ちをわきたてる
「…まだ解んない…気になってるだけ…」
「…そうか」