• テキストサイズ

【イケメン戦国】私と猫と

第28章 桜の咲く頃  四幕(十二歳)


はっとしたように頬を染めた湖に、秀吉が反応した

「義元…、今川義元に会ったのか!?湖!」
「え…?うん。綺麗なお兄さんだったよ?秀吉さん、お友達?」
「あいつ…のうのうと…っ」

今川義元は、信長が桶狭間で殺したはずの男だ
それが、信玄や謙信と同様
今を生きているのだ
秀吉としては、納得行かない

「北条を潰したのが、義元だと報告が会った時には何かの間違いだろうと思ったが、やはり本当だったか」

政宗は眉をしかめる

「信玄様、あんたは…」

情報を易々と渡す信玄に、幸村も眉をしかめる

「もう耳に入っている事だろう。信じるか信じないかは別とし、北条とのいざこざで本人も表立っている事は自覚しているんだ。支障ないだろう」
「とはいえ、敵にわざわざ…」
「ゆーきー。今は、お友達なんでしょ?敵ってやだ」
「ヤダじゃねーよ!脳天気」
「のーてんきじゃないもんっ!」
「じゃあなんだ?ただの馬鹿か?」
「また、馬鹿って言う!ゆき、ひどいっ!」

幸村と湖の言い合いが始まる
言い合いしているにも構わず、幸村はゆっくり馬を下りて湖を連れて城に入っていくのだ
また湖も、幸村から離れないところを見れば仲が良いのは見て解った

「で…聞くが、あいつは湖に何をしたんだ…」

いつもより、低い声の秀吉

「何もさせてないさ。ただ、湖に自覚を促すために話をさせただけだが……自覚よりも、義元に苦手意識を持ったのか…」

はぁ、と息をつくと信玄もまた馬を下り歩き出した

「……政頼はどうした」

謙信が視界に入らない飯山城城主について尋ねれば、答えたのは三成だ

「今は、光秀様といらっしゃると思います」
「明智光秀だと…」
「ええ。以前、此方に伺った時より城内の防衛機関が優れた事に興味を持たれた様子で、高梨様とお話されております。せきゅりてぃと言いましたか?私も興味がありますので、後ほどお話してみたいものです」
「……佐助」
「はい。今すぐ高梨様のところへ向かいます…さすが、光秀さん。まださほど変えていないのに気付くところがすごいですね」

佐助が去れば、その後ろ姿を追いかけるように見ているのは家康と政宗

「あの忍び…もう元に戻ったか?」
「…まだですね。以前見たときより、一回り程体つきが細いから」

/ 1197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp