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【イケメン戦国】私と猫と

第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)


「…変わらず、騒がしい女だな…」

後ろから聞き知った声が聞こえる

(この声…っ)

口を塞がれたまま少し後ろを向けば、見知った顔があった

(やっぱりっ謙信さま…っ!どうして?この国は、上杉から織田へと傘下を変えたはずじゃないの…っ)

「…手を離すが…騒ぐなよ…」

湖は拘束を解かれ、謙信に向かうに体を向けた

「…どうして、謙信さまがこちらに?」
「この国の大名から、お前たちが来ると聞いてな…」
(どうゆうこと?)
「…この国は…信長様の傘下になる旨書状を送ってきていました」
「そう聞いている。何をするつもりかしらんが、俺はお前に会えればそれでいい」

謙信は飄々と答えた
そして、湖に一歩近づくとその手を引く
置かれた反物の上に湖を組み敷くと、襟元へ手を忍ばせ広げた

「っや…!」
「喚くな、何もする気はない」

そして、薄く残る傷の跡を指でなぞる

「…あと少しか」
(…なに?)
「お前の肌には今朝の着物より、こちらの方が似合う」

決して強く制するわけではく、まるで壊れ物を扱っているような態度は、以前会った謙信とは別物だった

「…謙信さま?」
「なんだ」
(もしかして…)
「…気にしていたんですか?」
「…」

無言ではあるが、湖にはそれが肯定だと思えた

(この人…本当は、優しいの?)

傷を確認すれば、すぐに湖を自由にした

「それは、以前の…詫びだ…」
「それ?…あ、この着物…謙信さまが贈って下さったんですか…?」
(…私が怪我したから?そのお詫びってこと?)

倒された状態で、謙信を見上げていたが
湖は肝心なことを思い出した

(っそうだ!大名たちの話…っ)

「謙信さまっ、教えてください。この国の大名が持っていたあの小箱はなんですか?」

怪訝そうに湖を見ると

「俺が知るか…いや…話していたな…おるげんとかいう音を出す機械で、それが止まれば中に詰め込んだ火薬に火がつくと…」

(やっぱりっ!あのオルゴール、爆弾みたいなものってこと?!)

開かれた襟元も直さず立ち上がり走り出そうとする湖を謙信が手を掴み制する

「待て、俺はまだ用がある」
「っすみません!またにしてくださいっ!!信長さま達が、危ないんですっ」

ビクリともしない謙信の腕
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