第47章 四十七日目
ペトラが非番だからと言って、ウリエを外へ連れ出して行った。
一日ウリエの心配をしないで仕事に集中できた。
多少心配ではあったが、ペトラ・ラルと食事を共にする事があれから何度もあった。
ウリエもまったく知らない奴ではないから大丈夫なはずだ。
金をいくらかもたせ、放り出した。
帰ってきたが疲れた顔をしているだけだった。
「兵長。何か買ってあげようと思ったんですけど、いらないって首を振るばっかりで…。」
「そうか。随分歩いたようだな。」
「いいえ!ちょっとそこまでです。たくさん休みながら、お店は3軒しか行ってません。」
「わかった。帰って休め。」
「はい!じゃあ、ウリエちゃん、またね!」
「はい。」
少ししか歩いていないのに疲れたのだろうか。
運動という物は一切しているようには見えない身体だ、体力が無いのだろう。
運動させることも考えなくてはならない。
「欲しい物は無かったのか。」
「リヴァイ様の望むものではないからです。」
もたせた金は一銭も減っていなかった。
「どんな店に行ってきた。」
「お洋服のお店です。」
「気になる物はあったか?」
「はい。」
ハマった。
誘導尋問みたいになるが、先の質問を少し砕いて質問してみれば、この通りだ。
こいつに人形としてのコマンドを考えさせる暇を与えない。
それもまた有効ではないかと考えた。
「気になる物があったんだな。」
「…リ、リヴァイ様。」
申し訳なさそうにその場に縮こまってしまった。
罰を待っているのだろうか。
バカな貴族どもみたいな事、俺はしない。
人間なら普通にあれが気になっただの、これが欲しいだのあるだろう。
この年頃の女であれば、特にそうではないかと思う。
しばらくは仕事もそう忙しくないだろう。
色々外に連れ出してみるのも刺激になるだろう。
今日は疲れているようだ。
早めに寝かせた。
・・・