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観察日誌  リヴァイ・アッカーマン

第2章 二日目




今日は彼女の事を書く。
客観的に見たウリエ・フェンベルグの事を。

歳は21だという。
しかし、見た目はガキそのもの。

体が歳の割に小さいのは、幼いころからろくな食事を貰っていなかったから、
色が白いのは室内に閉じ込められていたからだろう。

物腰が静かで大人しい。
これはそうしなければならないという刷り込みからだろう。


どうも、こいつの行動に慣れない。

俺としか目を合わせず、時折口を開けば「マスター」と俺を呼ぶ。
俺に甲斐甲斐しく世話を焼く訳でもなく、俺の部屋のイスに座って作り物のような美しい笑みを張りつけたまま俺を見る。
食事も風呂も自らは動いてやろうとしない。

本物の人形のよう。

着替えすら、俺の手を煩わせる。


ただ。
やれと言った事はやる。

やれと言った事しかやらない。


イラつく。



何をどう思っているのか。
お前はどうしたい。
今の気持ちを言え。

こう言ったたぐいの質問をすると、必ず。

「私は、マスターのお人形です。マスターの考える通りに考えます。」

まるで最初からこれしか知らないような口ぶり。
そういうコマンド。

今は手探りで、どうにか糸口を見つけるしかない。

だが、そろそろ壁外調査の時期になる。
一人で置いて行くわけにはいかないだろうか。

どうする?と聞いてみたが、やはり

「マスターの思うように。」

としか返ってこなかった。

……寝よう。


追記

一つ面白い事がわかった。
こいつは頭に触れると、ふと糸が切れた操り人形のように崩れ落ちる。

つまり、眠るのだ。

しかし、揺さぶっても声をかけても起きる様子はない。
少々心配ではあるが、脈も呼吸も正常なので、朝まで放っておくことにする。




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