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観察日誌  リヴァイ・アッカーマン

第166章 百六十六日目



そんな外の様子を窓におでこを付けるくらい近づいて観察している。
冷えるだろうが。

「こんな雨では、さすがの巨人も動けませんね。」
「……また、巨人の話か。そもそも夜に奴らは動かない。もうやめろ、つまらん。」
「すみません。」

部屋の明かりを消して、良く外が見えるようにしてやった。
それにしてもよく喋るようになったな。

熱心に外を見つめるウリエの肩に、誰かのお下がりだろうウリエのカーディガンをかけてやる。

「ありがとうございます。」

小さいと言われる俺より低い身長、細い肩、その肩に流れる髪。
胸に引き寄せても、強張らない身体。

勘違いしてしまいそうになる。
俺に気を許しているのかと。

こいつはそうされる事が当たり前だと思っているから。

他の男にそうされても同じようにするのだろうか。
させはしないがな。

「最近ハンジとこそこそしていたようだが、なにをしていた。」
「特別な事を教えてもらいました。」
「特別?」

少しドキリとしたのは黙っておく。

「リヴァイさんには許せても、他人には許せない事を一緒に考えてくれました。」

ウリエは雨から視線を外して、いつもの様にきちんと俺の目を見ながら話を続ける。

「たくさんありました。ハンジさんが、それは私がリヴァイさんの事を特別と思っているからだとおっしゃいました。」
「そうか。」
「私は、リヴァイさんの特別ですか?」

俺がとっくの昔に無くしてしまった、純粋無垢な瞳を向けてくる。
意固地になるなと自分に言い聞かせる。

「お前は俺の特別だ。だから、お前を誰にも触らせたくねぇし、渡したくもない。こうやって、俺以外の誰かに寄りそっても欲しくない。わかるか?」
「はい。私も、他の方にはしたくありません。リヴァイさんだからするのです。」
「俺も、お前だから許す。」
「はい。」

にこりと嬉しそうに笑った唇が、どう見ても俺を誘っているようにしか見えなかった。

怖がらせるつもりはない。
キスだけしてウリエを先に寝かせた。

さすが、高値が付けられていた人形だ。
寝顔は天下一品だ。

勿体ない気もするが、いつまでも寝顔を鑑賞している訳にもいかない。
俺も寝る。






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