第157章 百五十七日目
仕事の合間だが、気が乗らず抜けだしてきた。
仕事は誰かがやるだろう。
昨日の事を書こう。
整理するために。
部屋に戻れとウリエを送りだしたすぐ後、ウリエは強引に昼食を一緒に取らされたと言っていた男に捕まっていた。
仲間を亡くし意気消沈している俺達団員の前で、そいつはウリエに結婚を申し込み、誓いのキスまでして見せた。
その時は気が付けなかったが、そいつは公衆の面前でそうする事で、俺とウリエの関係を暗黙の了解としていた奴らの常識を破ったのだ。
俺とウリエの関係は、傍から見れば触れてはいけない恋人関係にでも見えていたのだろう。
エルヴィンとハンジの視線が俺に突き刺さった。
ウリエも驚きと戸惑いと疑問で俺を見ていた。
俺は…
俺は…ハンジにウリエを頼んで、それから…覚えていない。
部屋に戻ったのは夜。
明かりは付いておらず、ウリエはまだハンジの所だと悟った。
とにかくノートだけは書いた。
今日は天気がいい。
ウリエは何をしているだろうか。
ジークリットと午後の昼寝でもしているだろうか。
少し散歩に出てくる。