第140章 百四十日目
仕事をしているとペトラが俺の所へやってきた。
不躾に俺を廊下に引っ張りだして。
「ウリエちゃんの事なんですが!男に掴みかかられていたらしいです!」
女には女の情報網があるらしい。
それぐらいは予想が付いていた。
そいつがウリエに好意を持っている事も分かっている。
「だからなんだ。それだけだろうが。」
「そうじゃありません兵長!ウリエちゃん可愛いから、その人だけがウリエちゃんの事を狙ってる訳じゃないんです。ウリエちゃん、素直で優しいから…」
「知識が無いんだ。お前が教えてやればいいだろう。俺は男だ、よくわからん。」
妙な焦燥感。
ウリエに恋愛とは何か、男とはどういう生き物なのかを俺に教えろというのか?
それらしい本でも与えておけば、なんとかなる気はする。
ペトラが何とかしてくれるのなら別にいいだろう。
ウリエに腕の事を聞くのはやめた。
こいつが自分から話してくれればいい事だ。
特に落ち込んでいる様子は無い、ただ、何かを悩んでいるような事はあるが、深刻そうではないから放っておく。
・・・