第137章 百三十七日目
ウリエは休日で、夜は食事を共にした。
「リヴァイさん。こんなものをいただきました。」
ウリエの両手に収まるくらいの箱をどうしたらいいか、と俺に見せて来た。
これぐらい、俺だって分かる。
女が好きそうな装飾品が入っているのだろう。
「誰にもらった。」
「名前は存じ上げませんが、男性団員の方にいい返事を聞かせてくれ。と言う言葉と共にいただきました。」
完全に失念していた。
こいつは美しい。
親バカなようで、言いたくは無かったが。
多少見た目が健康的になった分、高嶺の花ではなくなったのだろう。
「返事をする必要は無い。これも捨てろ。」
「え…ですが…」
他人の行為をありがたく受け取りきちんと礼を返せ。と教えて来たのは確かに俺だ。
たが、これは毛色が違う。
「理由はいつか分かる。そうしろ。」
「…はい。」
名残惜しそうに箱を見つめながら食事に手を付けるウリエ。
「開けたのか?」
「はい。中には綺麗なネックレスと指輪が入っていました。」
それなりに高そうなものが入っていたのだろう。
それを捨てる際、こいつが躊躇したのは物の値段じゃないだろう。
貰った気持ちを無下にしたくないという、後ろめたさからだ。
「あの…捨ててしまった事をお伝えした方がよろしいのでしょうか?」
「その必要もない。」
ウリエがウリエとして自立していくにつれて、増える不安もあるのだと痛感した。
人間としてではなく、年頃の女として知らない事が多すぎる。
・・・