万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第2章 始まり始まり~
「ご覧の通り、こうやって三枚重ねれば映画の世界観を完全再現できる三位一体の代物ネ。よい子は必ず三つそろえること」
神楽はにっこりと微笑み、フィルムを重ねた。すると、ゼロ戦型木馬にまたがったクソ豚野郎がSM嬢に鞭で叩かれている姿が現れた。
「いや、どんな世界観!?三位一体にした瞬間、お下劣レベルうなぎのぼりですけど!」
そこへ銀時が「オイ」と口を挟む。
「ひょっとして俺たち三人いるからすでに三つそろったんじゃね?俺『豚』な」
「なら私は『嬢』」
「ちょっと待って、じゃあ僕、『馬』!?」
「と、このように友達三人で来るのも手アル」
『ちなみに、持っていないお友達がいた時はすぐに私の所に来るように。三人そろったら一緒に見に行きましょう。見せびらかしたりしないのよ?泣くから。・・・・・私が』
落ち込んだ瑠維がそう言い終えると、客席から怒鳴り声が上がった。
「うるせええ!そんな特典なんざどーでもいいからさっさと映画始めろォォォ!」
長谷川だった。続いて武蔵っぽい人も、
「こんなもん誰がいるかァァァ!」
「すいまっせーん、今始まりますから!」
ブーイングに謝りながら、銀時は重大な事に気が付いた。
「おい、映画泥棒がいねえぞ・・・」
だが、辺りを見回すと・・・・居た。黒いスーツの背中。劇場の外に逃げ出そうとしていたのだ。
「あっ、てめっ、待ちやがれ!」
「逃がさねーぞこの出歯カメラ野郎!」
『映画泥棒捕まえるためにこんな所に来たのに・・・・・逃げられたら元も子もねーじゃねーかァァァァ!』
と銀時と神楽、それに瑠維は怒鳴りながら追いかけていく。万事屋三人と、真選組一人は、劇場のロビーで映画泥棒に追いついた。
『今さら悪あがきしても遅ェんだよ。その頭からエロテープ引きずり出したろか』
瑠維が脅すと、映画泥棒は必死に頭を振る。どうやらやめろと訴えているようだ。
「瑠維さん、警察へ連れて行く前に盗撮した中身確認しといたほうがいいんじゃないですか?」
新八が言うと、銀時がそれを止めた。