万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第6章 原因と正体
そう言うと踵を返し、新八は立ち去ろうとする。
「もし・・・俺らなら時を還せると言ったら、どうする?」
銀時は玄関の引き戸に頭を預けた状態でそう言った。新八はその言葉に立ち止まると、銀時を睨んだ。その眼は、いい加減なことを言うと許さない、といった目だ。
「ふ、そんなこええ面すんなよ。もしもの話さ」
「貴様の戯言に付き合ってる暇はない」
新八はまた足を進めようとした。が、
『私から言わせてもらえば、新八くんのしてることも立派な戯言よ』
「なんだと」
「銀さんの意志を継ぐだか知らねーが、こんな残骸の星護って、いったいどうなるってんだ。そうわかっているなら、なんでこの星だけを捨てられずにいる?」
「何も還らないなんて、いったい誰が言ったのよ」
神楽が近くに立った。
「確かに時は還らないわ。失ったものは、もう還らない。でも・・・銀ちゃんは、きっと帰ってくる」
神楽のその表情にはどこか悲痛な色があった。
「銀ちゃんはきっと帰ってくるわ。バカ面ぶら下げて、千鳥足でゲロ吐き散らしながら、きっと帰ってくる。その時、この星に誰も人がいなくなってたら、玄関で酔いつぶれたバカに、いったい誰が毛布かけるのよ」
「残骸でも、捨てられた星でも」
と新八も言う。
「ここは俺たちがあの人と出会った星だ。たとえここから人っこ一人いなくなろうと、俺は・・・万事屋の故郷を護る。何を失おうとも、俺は万事屋であることを、捨てるつもりはない」
銀時は静かに微笑んだ。
「・・・そうか、そいつを聞いて安心した」
その言葉に神楽と新八は眉をひそめた。