万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第5章 いや・・・・・その名前は・・・・・
瑠維にとって、その言葉を聞くのはあまりにも酷過ぎた。愛している者が、愛した者が、幸せを願い、身を引いてくれたなど・・・・・・聞きたくもなかっただろう。
そして、今まで、そこまで大切に思ってくれていたことが何よりもうれしく、何よりも悲しかったのだ。
銀時は悲しそうな瑠維の背中を見つめた。
「妹さん、大丈夫かい?」
「ああ、瑠維さんに憧れてた奴だからな。多分ショックがでかかったんだろう」
と嘘八百でお登勢にそう言う。
「この5年でいろいろあったからね。皆いろいろ変わっちまったってことさ」
「そうそう。いろいろ変わったのさ」
お登勢の声の後から、声が聞こえた。その声は、ボックス席からで、老いた感じの男の声であった。
「今まではサザエさん方式でちっとも年が進まなかったのに、ここに来ていきなり5年もたっちまうんだもの、そりゃ新八君も神楽ちゃんも大人になるよ。ま、でも、変われるってのは良くも悪くも若い連中の特権だよ。人間、年を重ねるほど変われなくなる。何かを積み重ねるほど、それを崩して新しい一歩を踏み出す勇気を失っていく・・・・・・」
銀時はその声のするボックス席を覗く。手酌で酒を飲んでいる老人が居た。
「この二人に比べてこの俺は、5年前から何も成長してねーものな」
と愚痴を言っているこの男は・・・・・長谷川だった。
――――――いや、アンタが一番成長してますけど!?
長谷川じーさんの手はぶるぶる震えて、酒がテーブルを濡らす。
「こんなんじゃ、あの世の銀さんに笑われちまうな」
――――――笑えねーよ!5年間でアンタに一体何があったんだよ!
「まあ、でもこれはこれで、5年間老けてねーみたいで、ちょっぴり嬉しかったりして、テヘヘ」
――――――老け倒してるよ!精神と時の部屋で50年分の辛酸でもなめてきたのかテメーは!?
「あらあら、長谷川のおじいちゃん、お酒が零れてますよ。ちょっとキャサリン」
見かねたお登勢がキャサリンを呼ぶ。
付近をもってきたキャサリンに長谷川は言う。
「まあでもアレだな。老化は男より女のほうが顕著に出るな、キャサリン。お前もこの5年でだいぶ老けたもんなー。やっぱ女は化粧とかするから、肌とか老化しやすいのかね」
「ッタク長谷川サン、アナタハレディニソンナコトバッカ言ッテルカラモテナインデスヨ」