万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第4章 え?何か・・・大きくなってない?
声は上の方からだ。全員が声のした方の廃ビルの屋上を見上げた。
そこには女が一人いた。逆光のせいで顔は見えないが、傘を担ぎ、巨大な動物にまたがっていることはわかる。
「その程度で万事屋名乗るなんて百年早いんじゃないの」
女はそう言うと、またがってた動物―――巨大な犬から下りると、手にしていた傘を開いて、ビルの屋上から飛び降りた。
危険な様子もそぶりも見せずに女は着地する。その背後には、巨大な犬も着地する。
チンピラの男が声を上ずらせた。
「あの巨大な傘・・・・・・巨大な犬・・・・・」
チッという舌打ちは万事屋新八だった。うるさいのがまた増えた、と小声で言う。
「ぐ・・・・ぐらさん・・・・・・万事屋ぐらさんと定春だああああ!」
チンピラの声と同時に、女は傘の角度を変えた。と、そこに居たのはオレンジ色の髪の色っぽいおねーさんだった。
「万事屋ぐらさんって、女だてらに最近江戸で暴れ回ってるって何でも屋かぁ?」
別のチンピラが叫ぶ。そこから少し離れた所で、驚愕の顔でフリーズしてたのはもちろんこの二人。
―――――ぐ・・・・・・ぐらさんんんんん?え、ちょっと待ってェェ!俺の知ってる、人間をかけてるグラサンが五年でコレェェェ?(銀時)
―――――いや・・・・それはないでしょ・・・・(瑠維)
何故か心の叫びで会話出来ているのは置いといて・・・・・
銀時は万事屋ぐらさんの蹴りを顔面に浴びた。
「ごふうっ!」
『まぁ・・・・当り前よね~』
「来て早々、何やってんだ」
蹴られた銀時に冷たい眼を送っているのは瑠維。そして、冷めた声で万事屋ぐらさんを咎めたのは万事屋新八だった。
「いや、なんか、こいつに腹ん中でコケにされた気がしたから・・・・」
――――――や、ちょ・・・・・
鼻血を流している銀時を大爆笑している瑠維を殴ると、銀時は働かない脳を奮い立たせ、思った。
――――――ちょっと待て、ええっ、ひょっとしてアレですか!?
――――――俺の知ってる、食い気だけでまったく色気のねぇ、「フライドチキンの皮よこせよコルァ」とか言ってた、あの声優ムダ使いゲロインが・・・・・!?(銀時)
――――――いや・・・・・それ以外誰がいるのよ(瑠維)