万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第4章 え?何か・・・大きくなってない?
銀時のつっこむべき所がずれていたことに瑠維はずっこけた。
「え!?何!?てっきり魔女宅のパン屋の親父みたいなジェスチャーキャラでいくのかと思ったら、喋れるんじゃん!つーか、突然何ワケわかんねぇこと喋りだしてんの!?」
「銀時様、残念ながら私は映画泥棒でもおソノさんの旦那さんでもありません。アナタをこの世界に呼び出すためにある方に作られた、時空間転送装置、通称、時間泥棒。要するにタイムマシンです。・・・・瑠維様がこちらに来られたのは想定外でしたが・・・・」
時間泥棒は困ったように顔を傾げたが、何も言えない二人の前で、それでも話を続ける。
「つまりこの世界は、アナタ方が先ほどまでいた世界の五年後の世界。いずれアナタ方が・・・・・世界をたどる、すべてが終わった未来の姿です」
『・・・ここが・・・・五年後の・・・・世界』
呻くように何とか声を絞り出した瑠維の脳裏には、ここまでの街の光景が浮かぶ。
銀時にとっては自分自身の墓、瑠維にとっては新友の墓・・・・・そして、荒れ果て街と呼べる代物ではないかぶき町。白髪頭の動かない人間――――
「すべてが終わった俺たちの・・・・・・世界」
「驚きになられるのも無理はありません。自分が亡くなられている未来を目の当たりにしてしまったのですから。でもアナタ方だけではありません。この通り世界はすっかり荒廃し、今や見る影もありません」
暗い時間泥棒の声が響く。二人の心情を表しているような声だと瑠維は思った。
「この星の総人口の三割は死に絶え、四割は別の星に移り住み、今やこの地球は完全に捨てられた星になってしまいました。あの方は、この無残な世界を変えるために、銀時様、アナタをこの世界に呼び出したのです。」
『・・・・私はお呼びじゃなかったのね・・・・』
瑠維は落ち込みを見せる色の表情で苦笑をした。瑠維はなんとなくだが話を掴めているようだ。が、銀時には話が全く見えていなかった。
銀時はいらつき、時間泥棒の胸倉を摑んだ。
「おい、あの方って誰だよ。俺達のこの世界に、いったい何が起こったっていうんだよ」
『ちょっ!!銀時!そんなことしても・・・・』
いらつく銀時を宥めるように瑠維が制すが、何も答えない時間泥棒に銀時のいらだちはさらに増す。