第1章 出会い
…それからとても豪華な食事をいただいて、何だか尚更申し訳ないなと思いつつ、皆さんに頭を下げる。
「凄く美味しかったです、ありがとうございました。」
「それは良かったです、腕をふるった甲斐がありました。」
そう言いながら、厨房に繋がっているらしいドアから出て来た初めて見る人はシェフの格好をしていて、私は彼にも頭を下げた。
「天崎さん、彼はうちのシェフの縁下力と言います。それからー…そこの坊主頭は田中龍之介、小柄な奴が西谷夕、2人はウェイターです。」
「よろしくな!」
「よろしくっス!」
ニッと明るい笑顔で西谷さんと田中さんが笑う。
「で、その隣が影山飛雄、ソムリエです。」
「…さっきはすんませんでした。風邪引いてなさそうですか?」
「あ、はい、大丈夫ですよ。」
「…そっすか、良かった。」
少しきつい目つきをしてるけど、優しい人なのかなと感じた。