第1章 出会い
レストランまでの道中はほとんどからかわれず、着いたのは1階の左奥の部屋。
月島さんがドアを開けてくれて、どーぞと促されて入るとさっき会った人達がほとんど揃っていた。
いないのは…西谷さんと龍って呼ばれていた坊主頭の人と影山さん、かな?
「どうぞ、こちらへ天崎さん。」
菅原さんが自然に私の手を取ってテーブルまでエスコートしてくれてついドキドキしてしまう。
椅子を引いてもらってお礼を言うと、柔らかく微笑まれてときめいた。
格好良いなぁ、凄いなぁと思っていると澤村さんが近くにやってきた。
「では、お食事のご用意をさせていただきます。…それから、全員揃いましたら自己紹介しますね。しばらく一緒に過ごすことになるのに名前をちゃんと知らないのは過ごしにくいでしょう?」
「…あの、何日間もいて本当に良いんですか?私、お金も無いのにあんな良いお部屋とこんな綺麗な服を貸していただいたり……。」
「えぇ。スガも言っていたでしょう?困った時はお互い様、ですよ。…あぁ、料理が来たみたいです。」
どうぞごゆっくりお楽しみくださいと澤村さんに頭を下げられて、私が入って来たのとは違うドアからワインやグラスを載せたカートを押した影山さんとお皿を持った西谷さんが入って来た。