第13章 真実
ダリス「マーレ、この書類を片してくれんか?年老いて目が悪くなってなかなか進まなくてな。」
マーレ「はぁ・・。」
ダリス「あぁ、それと。お前宛に来ている手紙もある。行くかどうするかは自分で選びなさい。」
マーレがダリスの元へ来た翌日。そんな会話からその日は始まった。
マーレ「・・・あの、ダリス・・。」
ダリス「なんじゃ。」
マーレ「俺、これで・・・いいんですか?」
そう不安げにマーレがダリスを見つめると、ダリスはフゥと大きな息を吐いた。
ダリス「・・・私は気付けなかった。4年だ。4年もの間、お前は自由ではなかったのに、私は気付けなかったのだ。ユリアのサインにも気付けなかった。」
マーレ「・・・。」
スッとマーレの首に手を当てるダリスに、ビクッとしたマーレ。
ダリス「・・・傷跡が残ってる。今も、お前を苦しめているのだろう、その記憶と、傷跡は。・・・そんな私に、お前を閉じ込めておく権利など、ない。」
マーレ「・・・ダリス・・。」
ダリス「お前を全面的に守る事は出来ん。・・・だが、出来る限りの事はするつもりだ。」
マーレ「・・・エレン、の・・引き渡しの日は・・・?」
ダリス「明後日の予定だ。」
マーレ「・・・そう、ですか。」
マーレは震える声でそうつぶやき、ダリスから離れた。
ダリス「責任を全て背負うな。お前だけのせいじゃない。」
マーレ「・・・。」