第12章 異端審問
ダリス「静粛に!!・・・調査兵団の提案はどうだ。」
エルヴィン「・・・提案させていただく前に、いくつか質問させていただきたい。」
ダリス「・・・構わん。」
エルヴィン「・・・マーレ・キール。巨人に命令したという事だが・・・“巨人にのみ”通用するのか?」
そうエルヴィンは問うと、審議所内はざわめいた。
マーレ「・・・やってみるか?今ここで。」
そうマーレが言うと、ジャキンッ!と銃を構える音がした。
憲兵団、駐屯兵団の人々がマーレに銃を向けたのだ。
憲兵「へ、へたな動きはするな!!!殺すぞ!!!」
ユリア「・・・その武器を仕舞いなさい。愚図ども。」
憲兵「お、お前は黙ってろ!!!」
ユリア「お前が黙ってろ。」
憲兵「それ以上喋ってみろ!撃つぞ!!」
ユリア「やってみやがれ・・・。」
ユリアはどこからともなくナイフを出した。
ユリア「ここで殺してやる。」
駐屯兵「!おい!!何でアイツを縛ってないんだ!!」
憲兵「黙れ駐屯兵!!アイツは左半分使えねぇんだから出来るわけないだろう!!」
ユリアは無理やり立ち上がって、マーレの前に立とうとする。
マーレ「やめておけ、ユリア。」
ユリア「でも・・・っ!」
マーレ「無茶するな。」
ユリア「・・・分かったわよ・・。」
そのまま車いすに座るユリア。
エルヴィン「やった事はないんだな?」
マーレ「ないな。」
エルヴィン「可能性は?」
マーレ「出来るだろうな。」
更にざわつく審議所。
マーレ「それで、調査兵団はどうする?俺達を。殺すか?」
エルヴィン「・・いいや。殺すなんてもったいない事はしない。君たちは十分な兵力だ。」
ゴンッと、何かがぶつかる音がした。
コロンッ・・・と地面に落ちたのは、石だった。
マーレの額に血が流れ出す。
アルミン「マーレさん!」
エレン「・・・!」
ユリア「・・・ねぇ・・誰・・・?」