第11章 壁外調査
マーレ「・・・ユリア。」
ユリア「・・・えへへ。ごめんね、マーレ。」
マーレ「・・・いや、俺の方が、悪い・・。」
ユリア「ありがとう、マーレ。」
リヴァイ「・・・そっちに移動するか?ユリア。」
マーレ「・・・いえ。自分は、近づいてきた巨人を殺すので。・・お願いします。」
リヴァイ「・・・了解した。」
マーレは列の最後尾につく。
リラもマーレの隣を駆けている。
マーレ「・・・全く、お前もよく出来る奴だ。」
壁に戻った調査兵団は、民衆から罵声を浴びた。
今回かかった壁外調査の費用と、その損害による痛手は、調査兵団の支持母体を失墜させるのに十分であった。
エルヴィンを含む責任者が王都に召集されると同時に、エレン・イェーガーの引き渡し、及び、キール兄妹への異端審問が行われる事が決まった。
ユリア「・・・リヴァイ。」
リヴァイ「・・・待ってろ。」
ユリア「・・うん。待ってる。」
そう言ってリヴァイから離れていくユリアの右手は、震えていた。
「早くしろ。」
マーレ「・・・。」
空を見上げるマーレ。
アルミン「マーレさん・・・!」
アルミンの声に、マーレは顔をそちらへ向ける。
マーレ「アルミン。」
アルミンに近づき、耳元で囁いた。
マーレ「お前には、この壁外調査で何が見えた?」
アルミン「・・・!それ、・・て・・・。」
「何をしているっ!!」
グイッとマーレを引っ張り、アルミンから引き離した駐屯兵団の人間。
マーレと憲兵団は接触しない事が前回の件で決まっていたため、駐屯兵団が間に入ったのだ。
マーレ「・・・。」
マーレは、笑っていた。
マーレ「レオとリラ、任せたぞ。」