第11章 壁外調査
リヴァイは、エレンをミカサに預けて先に本部に戻るように伝えた。
ミカサは黙って頷き、飛んで行った。
リヴァイはそのままリラに乗り、森を進んで行った。
リラはある木の下で走るのをやめ、立ち止まった。
リヴァイ「・・・なるほど。奴がお前を連れて来た理由がよくわかる。お前のお陰で女型をやれた。ケガもせずに済んだ。」
リヴァイはリラの頭を撫でる。
女型の足首の肉を持って行ったのはリラだったのだ。
そして、リラがリヴァイと女型の間に割り込んでいなければ、リヴァイは女型の手に勢いを殺せず着地して怪我をしていたかもしれない。
リヴァイ「少し待っていろ。お前の主人を連れて来る。」
リヴァイは立体機動で木の上に上る。
そこでは、ユリアが遠くを見つめていた。
リヴァイ「エレンは無事だ。エレンの倅が連れてった。」
ユリア「・・・そう。」
リヴァイはユリアの口元に垂れている血を拭う。
リヴァイ「・・・何処だ。」
ユリア「足。装置壊れちゃったし、動くに動けないわ。」
リヴァイ「壁の中まで戻れるか。」
ユリア「・・・えぇ。でも馬車は嫌だわ。揺れて痛いもの。」
リヴァイ「その状態でリラに乗るのか。」
ユリア「リラは巨人を殺せるのよ。足手まといの私を乗せるわけにはいかない。・・・予備の馬でいいわ。」
リヴァイ「・・・腕もやってるな。お前。」
一切動かそうとしない左腕を見て、リヴァイはそう告げる。
ユリア「そうかもしれないね。もう感覚も分からないわ。」
リヴァイはソッとユリアを抱き抱える。
ユリア「貴方は泣かないのね。」
リヴァイ「馬鹿言え。何で俺が泣くんだ。」
ユリア「リヴァイ班は、エレンと私を護ろうとして死んだわ。・・・一度は救えた命を、私は救えなかった。」
リヴァイ「・・・。」
ユリア「・・ねぇリヴァイ。私・・。」
リヴァイ「それ以上は言うな。」
リヴァイをジッと見るユリア。
リヴァイ「お前は、奴を足止め出来た。俺が来るまでの時間稼ぎをした。当初の目的は果たしている。・・それでいい。」
つぅ・・・と雫が頬を伝った。