第11章 壁外調査
エレンが女型に追いつき、女型にのしかかった。
女型は倒れ込み、ユリアは吹っ飛ばされた。
衝撃に耐えるのに精一杯だったユリアは、ろくに受け身も取れずに枝の上に落ちる。
ユリア「・・・エレン・・。」
ユリアの口から血が落ちる。
エレンは女型に次々に攻撃を仕掛ける。だが女型もスキを見てエレンに攻撃を加える。
ユリア「ダメッ!!エレン!!!その子は・・・!!」
エレンの動きが止まった瞬間、女型はエレンの頭と右手をすぐそばにあった木と共に落とした。
ユリア「・・・!」
女型はエレンのうなじに噛り付く。
「エレンッ!!!」
ユリアとは別の女性の声。ミカサだ。
女型は人間のエレンの姿を捕らえると、口に含んだ。
そのままユリアに目を向けるが、女性の姿も確認したのであろう女型はそのまま立ち上がり、走り去っていった。
ミカサ「待って・・・!エレン・・行かないで・・・!!」
ミカサは勢いよく女型を追いかけて行ってしまった。
ミカサが去った直後、リヴァイがユリアの元へ飛んできた。
リヴァイ「・・・お前・・。」
ユリア「私は足手まとい。・・ミカサを追いかけて。あの子も、エレンと一緒で感情的になると我を忘れてしまうわ。」
リヴァイ「・・・必ず戻る。動くな。」
そう言って、リヴァイもすぐ追いかけて行った。
ユリアは首に下げている紐を引っ張った。すると、小さな笛が姿を見せた。ユリアはそれに息を吹きかける。
音はしなかった。
ユリア「・・・壁の中へ戻ったら・・異端審問かしらねぇ・・。」
ユリアは、どこか遠くを見つめていた。