第11章 壁外調査
ユリアは女型の足を回転しながら登っていく。もちろん、刃で傷を入れる事を忘れずに。
巨人の手が、ユリアの立体機動装置のワイヤーを掴んだ。
オルオ「!クソッ!!!」
だが、誰よりも先にユリアはワイヤーを切り落とした。
エレン「!!?ユリアさんっ!!!」
当然体重を支えるものがなくなったユリアは地面へと落ちていく。
ユリアは上着の内側からナイフを取り出してワイヤーに強く縛り付けて飛び上がった。
それには女型も驚いたのか、後ずさった。
ユリアは腕を振り上げて刃を突き刺そうとした。
が、女型は2本の刃を躊躇う事なく掴んだ。
ユリアはすぐに刃を外して新しい刃を取り付けて切りつけた。
が、今度は足を掴まれた。
ペトラ「!ユリアさんっ!!!」
逆さまの状態で女型の顔の高さまで持ち上げられたユリア。
女型の指を切り落とそうと上半身を起こしたのと同時くらいに、パキッと何かが折れる音がした。
女型は手を離し、ユリアは地面へと落ちた。
エレン「・・・!ユリアさんっ!!!」
ユリアは起き上がり、立って再び立体機動に移ろうとするも、左足が動かない。
身体を掴まれて、巨大樹の方に投げられたユリアは咄嗟の事だったが受け身を取り、巨大樹にぶつかった。
血が飛び散る事はなかったが、ぶつかった衝撃で装置が壊れてしまい、ユリアはもう戦えなくなってしまった。
そんなユリアに近づいていく女型。
ペトラ「!!ユリアさんに触るなっ!!!」
オルオ「待てペトラ!!一人で行くなっ!!!」
ペトラは勢いよく女型に近づく。
オルオもペトラを追いかける。
エレン「!」
ユリアは起き上がろうとするが、左足が動かないせいで立ち上がれない。立体機動装置も壊れて地面に落ちてしまった。
ユリアはナイフを取り出して投げるも、巨人には小さすぎてダメージにならない。