第11章 壁外調査
ハンジ「ユリア・・・?」
ユリア「私には巨人の声なんてわからない・・・!マーレを連れ去ろうとしたアイツも、通常種も、奇行種も!!動物の声だって、私には分からないよ!!」
ハンジ「ユリア、落ち着いて!」
ハッとした顔で、ハンジを見るユリア。
ハンジ「マーレくんは、リヴァイが抱えてる。大丈夫、生きてるよ。」
ユリア「・・・マーレ・・マーレ・・・っ!」
ユリアは手で顔を覆って泣き出す。ハンジはただ、そんなユリアを抱きしめる事しか出来なかった。
ハンジ「(私には巨人の声がわからない・・・ユリアはそう言った。なら、マーレくんには理解出来るという事?動物とも、奇行種とも、巨人の身体を纏う人間とも、彼は会話が出来るという事なのか?)」
ハンジの頭の中はどんどん巡る。
しばらくして、リヴァイがこちらへ来た。
リヴァイ「エレン達と合流するが、お前はどうする。」
ユリアは泣き腫らした顔で、リヴァイを見る。
ユリア「・・・マーレ、は・・。」
リヴァイ「エルヴィンに預けた。早く決めろ。来るならガスと刃の補充をすぐにするぞ。」
ユリア「・・・行く。」
ゴシゴシと目元を乱雑に拭くユリア。
その腕を掴んだリヴァイ。
リヴァイ「余計腫れるだろうが。何してやがる。」
そう言ってスカーフを外してユリアの顔を拭くリヴァイ。
ユリア「・・・。」
ユリアはされるがままである。
リヴァイ「お前、今の討伐数覚えてるか?」
ユリア「・・・覚えてない。」
リヴァイ「飛びながら思い出せ。冷静になれ。」
そんなリヴァイの言葉に、ユリアはリヴァイの肩に頭を置いた。
リヴァイ「・・・おい。」
ユリア「貴方は優しい。安心する。」
リヴァイ「・・・チッ。」
リヴァイはユリアを抱えて降りて行った。
ハンジ「・・・なんだ。リヴァイも満更じゃなさそうだ。」
そんな二人を見たハンジは、笑っていた。