第11章 壁外調査
全方角から巨人が走って来る。
エルヴィン「総員!!戦闘用意!!!女型を死守せよ!!!!」
リヴァイが先頭となって巨人を次々に殺していく。
だが、リヴァイのいる方とは反対方向で、巨人が次々に倒れ込んでいく。
エルヴィン「・・・!」
「邪魔邪魔邪魔邪魔・・・。どいつもこいつも邪魔しないで!!!!」
その声の持ち主はユリアで、次々に巨人を切り落としていく。
他の兵士よりも圧倒的に討伐速度が速い。
それでも、討伐速度は巨人の数を越えれない。
小さな巨人が、女型に齧り付いた。
ユリア「リヴァイッ!!!!」
ユリアは女型に背を向けたまま叫ぶ。
ユリア「マーレが女型の口の中にいたっ!!!顎の筋肉を削ぎ落とせ!!!!!」
その言葉に、リヴァイは目を見開く。
それは即ち、女型を食い尽くされればマーレも喰われる事を意味している。
誰よりも先に動いたのは、エルヴィンだった。
エルヴィンが口の筋肉を斬ると、口がパックリと開いた。
唾液のような、何かにくるまれたマーレがそこにいた。
そのあとすぐにリヴァイがマーレを抱き抱えて飛び上がった。
リヴァイ「・・・チッ。汚ねぇな。」
リヴァイは覆っていた液を顔だけまず払う。
息をしている音がするが、目を開ける気配が一切ない。気を失っているようだ。
エルヴィン「総員、撤退!!!陣形を再展開!!カラネス区へ帰還せよ!!!」
しかし、ユリアだけはまだ巨人を斬り続けていた。
ハンジ「ユリアっ!!」
ハンジが叫ぶも、ユリアには聞こえない。
ユリアはどんどん巨人を殺していく。
ハンジはユリアの背後まで行き、ユリアを抱き抱えて近くの枝に飛んだ。
ハンジ「ユリア!!撤退命令・・が・・・。」
ユリア「なんで・・・っ!!私には、聞こえないよ・・・!マーレッ・・。」
ポロポロと涙を零しながらユリアは刃を構えて今にも巨人の元へ行ってしまいそうだ。