第11章 壁外調査
「報告しますっ!!口頭伝達です!!右翼索敵、壊滅的打撃!!索敵一部機能せず!!以上の伝達を左に回してください!!」
エレン「・・・!」
リヴァイ「・・・聞いたかペトラ。行け。」
ペトラ「はいっ!」
中央後方、リヴァイ班にその報告が入り、ペトラが左翼へ伝達しに向かった。
エレン「右翼側って・・・。」
ユリア「アルミンもマーレも右翼側ね。」
エレン「でも・・・!まだ中央寄りにいたはずですよね!?」
ユリア「・・・そうね。でも、ここは壁外。何があってもおかしくはない。」
パァンッと聞こえた音。
黒い煙弾が上がっている。
エレン「黒・・奇行種!?」
リヴァイ「エレン、お前が撃て。」
エレン「は、はいっ!!」
リヴァイ「やけに陣形の深い所まで入れちまったな・・・。」
ユリア「・・・。」
ジッ・・・と黒い煙弾の方を向くユリア。
それに答えるかのように、リラの走りが止まる。
エレン「ユリアさん・・・!?」
ユリア「・・・リラ、行こう。」
再び駆け出すリラ。すぐにリヴァイ班に追いついた。
リヴァイ「・・・何を聞いた。」
ユリア「・・・マーレの、馬のレオの悲鳴。」
エレン「・・・マーレさんの、馬の悲鳴・・・?」
ユリア「マーレに何かあったのかもね。」
エレン「何かって・・・!」
ユリア「マーレは巨人に殺されなんてしない。」
ユリアの言葉は、確信めいていた。
リヴァイ「・・・それは、お前たちが人類最強の双子だと呼ばれているからか?それとも、お前の願望か?」
ユリア「私達が人類最強と呼ばれていたのは昔の話。今は貴方が人類最強でしょう?」
ニコリと笑うユリア。
リヴァイ「・・・。」
ユリア「レオなら大丈夫。必ず人に出会う子だよ。」
調査兵団は、まもなく巨大樹の森に近づく。