第11章 壁外調査
マーレは立体機動に不向きであるこの場所で、女型の巨人に一人立ち向かっている。
ジャン「おいおい・・・!!いくらマーレさんが人類最強だからってこんな立地じゃ勝てるわけねぇ!!!俺も戻って・・・!」
アルミン「違う・・・!」
意識が朦朧としながらも言葉を紡ぐアルミン。
アルミン「マーレ・・は、僕たちが逃げるじか、んを・・・作ってくれて・・る・・・!」
ジャン「・・・はぁ!?俺達が逃げる時間を一人で稼ぐなんて無茶だ!!!」
ライナー「けど、マーレさんがいなければあの女型に俺達は攻撃されてもおかしくない。・・・俺達はアイツに攻撃を仕掛けたワケだしな。」
ジャン「けどよっ!!!」
マーレ「お前の目的なんてどうだっていい。だが・・・それがエレンだとするなら、お前を黙って見過ごすわけにもいかない。」
アンカーを女型に突き刺し、飛ぶマーレ。
女型の腕はマーレを追うものの、スピードがマーレの方が上だ。
ジャン「すげぇ・・・!」
だが、その時間はあっけなく終わる。
女型がマーレを捕まえる為に伸ばした手が、マーレの立体機動装置に当たってマーレは地面に叩き付けられた。
マーレ「ぐっ・・・!!」
そのまま、マーレの身体を掴む女型。
ジャン「・・・ぁ・・!!」
マーレ「・・・?」
しかし、マーレを握り潰すわけでも、叩き落とすわけでもない。
ジッ・・・と女型はマーレを見つめる。
マーレ「・・・ははっ・・。」
乾いた笑いがやけに響いた。
マーレ「どいつもこいつも・・・こんな力に手を伸ばしたがる・・・。」
ジャンには、その言葉の意味を理解する事は出来なかった。
女型の巨人は、マーレの首の後ろを指先で軽く叩いた。軽くとは言っても、結局は巨人の力。人間で、しかもまだ全快ではないマーレには衝撃が強く、マーレは気を失った。
ジャン「マーレさんっ!!!」
ジャンの声もマーレには届かないまま、マーレは女型の巨人の口の中へと放り込まれた。
ゆっくり立ち上がり、女型は走り去っていった。