第10章 準備
「ごめんなさいっ!!」
声が聞こえてきたのでひょっこり顔を出してみると、ペトラがユリアに頭を下げていた。
ユリア「・・・。」
ペトラ「私、あの時動揺して、エレンにも兵長にも・・・ユリアさんにも、刃を向けた。ごめんなさい。」
ユリア「・・・何でペトラが謝るの?」
ペトラ「だって、ユリアさん気を悪くさせちゃったから・・・。」
ユリア「普通あれだけ暴言吐いた私が謝るんじゃないの?」
ペトラ「あの言葉は必要だった。私達を冷静にさせてくれたもの。だから、ユリアさんは謝らなくて、いいの。」
ユリア「・・・変わってる、子だね。」
ふわりと笑ったユリア。エレンとマーレ以外の前で見たのは初めてだった。
ペトラ「・・・!」
ユリア「ごめんペトラ。怖がらせたよね。」
ペトラ「そんな事・・・!」
ユリア「でも、私はエレンを護る事が仕事。次また貴方がエレンに刃を向けたら私も貴方に刃を向ける。それは、理解して。」
ペトラ「!・・・分かってます。その時は、私も貴方に、刃を・・・向ける・・。」
ユリア「・・・その決断は合ってる。迷う事はない。」
ペトラ「・・・ごめんなさい。」
ユリア「貴方は間違ってない。」
キィと音を立てて部屋に入る。
ユリア「あ、マーレっ!!おはよっ!!」
ユリアはマーレを見た瞬間にこっちに駆け寄って来る。
マーレ「おはよ。」
ペトラ「お、おはようございます・・・!」
まだマーレには慣れないのかぎこちない返事が戻って来た。
ユリア「マーレ今日も出かけるの?早くない?」
マーレ「アルミンのとこだ。作戦も何も聞いてないから。」
ユリア「もーっ!寝てるからじゃん!!」
マーレ「そういうユリアは全部聞いたのか?」
ユリア「んや?半分くらい。」
ペトラ「ユリアさん・・・。」
ユリア「でもどうせ忘れちゃうから当日ペトラに教えてもらうつもり!」
マーレ「あっそ。とりあえず俺は行くぞ。」
ユリア「気を付けてねー!」