第10章 準備
マーレが目を覚ました時、すでに空には星が輝いていた。
ベッドから降り、部屋を出る。
ペタペタと歩いていると、反対側から歩いてくる人物に遭遇した。
マーレ「・・・リヴァイ兵士長。」
リヴァイ「・・・リヴァイでいい。気分はどうだ。」
マーレ「悪くはないです。・・・あの後どうなりましたか。」
リヴァイ「ユリアが動揺してるあいつ等に暴言を吐いて沈めた。そのあとすぐにエレンも巨人化を解いた。」
マーレ「そうですか。なら良かったです。」
リヴァイ「で、その後ろを歩いてるその獣はお前のなのか?」
マーレがくるりと後ろを向くと、すぐ後ろで静かに座っている狼がいた。
マーレ「・・・ユリアのですよ。4年の間で見つけた相棒だとか。名前は・・・リラだったな。」
マーレが頭を撫でると嬉しそうに目を細める狼。
リヴァイ「随分デカいな。」
マーレ「どっかの森で長でもしてたんじゃないでしょうか。多分、リヴァイとユリアを乗せて駆ける事も出来ますよ。」
リヴァイ「そうか。」
マーレ「・・・リヴァイは何故起きてるんです?」
リヴァイ「物音で起きただけだ。」
マーレ「・・・すみません。」
リヴァイ「別に構わん。・・エレンが心配していた。」
マーレ「あぁ・・・朝になったらエレンに会います。それでいいですかね?」
リヴァイ「俺に聞くな。」
マーレ「ですよね。・・・それじゃあ、食堂に行くので。」
リヴァイ「途中で倒れるなよ。」
マーレ「倒れません。」
リヴァイの後姿を見送って、食堂に向かうマーレ。
マーレ「・・・壁外調査だし、巨人に会わないわけない、よなぁ・・・。」
はぁと溜息を吐き、窓から空を見上げるマーレ。
マーレ「・・・自然は綺麗なままだな・・。」
その後ろ姿をじっ・・・とリラはただ見つめているだけだった。