第10章 準備
エレンは自分の右手を思い切り引っ張って巨人から引きちぎる。
ゴロンッと地面に落ちたエレン。
ハンジ「あーーーっ!!エレン待って!!まだ確かめたい事・・が・・。」
リヴァイ「・・・気分はどうだ。」
エレン「・・あまり、よくは・・・。それより、マーレさんが・・・!!」
ユリア「マーレも平気。」
ストンッとエレンの隣に着地するユリア。
ユリア「爆風に耐えれなくて吹っ飛ばされて気絶してるだけ。マーレの馬が見てるから平気。」
エレン「・・・俺・・マーレさんに・・・!」
ユリア「マーレはエレンをこんな事で嫌ったりしない。むしろ自分が気絶した事に後悔するかもだから、後で慰めてあげて?」
エレン「でも・・・!」
ユリア「リヴァイ兵士長。とりあえず帰りましょう。これ以上は無理です。」
リヴァイ「・・・あぁ、そうだな。」
ユリアが指笛を鳴らすと、茂みから現れたのは馬、ではなく狼だった。
ハンジ「狼ぃ!?」
ユリア「私の相棒よ。壁外調査もこの子で行くわ。」
ユリアはひょいっとエレンをその狼に乗せる。
ユリア「マーレ、疲れてるしちょうど寝れていいんじゃないかな。」
そう言うとユリアはマーレに寄って行ってマーレを抱え上げる。
ユリア「もーっ。今マーレ気絶してるから乗せてあげれないって!」
マーレの馬がユリアの頭を甘噛みしている。
ユリア「兵長達先帰ってて。後から戻る。」
リヴァイ「・・了解した。行くぞ、お前ら。」
誰もいなくなった草原に、エレンとユリア、気絶したマーレだけが残っていた。
エレン「・・・ユリアさん・・。」
ユリア「彼らの取った行動は、間違ってはない。」
エレン「・・・。」
ユリア「けれど、エレンの行動も間違ってないし、リヴァイ兵士長も、私の行動も間違ってないと思ってる。」
エレン「・・でも、俺・・・マーレさんを吹き飛ばしてしまいました・・。」
ユリア「怪我してないし結果オーライ。さ、戻ろう。」
ユリアはマーレを抱えたまま歩き出した。