第10章 準備
エレンの隣に、マーレがいなかったか?
バッと見渡すと、少し離れた地面にマーレが倒れているのが見えた。起きる気配はないが、出血している様子はない。マーレの馬がマーレに駆け寄るのが見えて、ユリアはくるりとエレンの方に足を向けた。
エレン「何で・・・!!何で今になって巨人化してんだよちくしょう・・・!!!」
動揺するエレン。
リヴァイ「落ち着け。」
そう言うリヴァイの声が聞こえてハッとエレンは顔を上げる。
エレン「ち、違うんですっ!!今のは・・・!!!」
リヴァイ「落ち着けと言ったのが聞こえなかったのか。お前ら。」
しかし、リヴァイが声を掛けた人物はエレンではなく、リヴァイ班の人々だった。
エレン「・・・!」
リヴァイ班の人々は怖い顔をして立体機動装置を構えている。
エルド「エレン!!どういう事だ!!」
エレン「はい・・・!?」
エルド「何故今許可もなくやった!!答えろ!!」
リヴァイ「エルド待て。」
オルオ「答えろよエレン!!どういうつもりだ!!!」
エレン「!?」
グンタ「いや、待て!それは後だ。今すぐ俺達に・・いや、人類に敵意がない事を証明してくれ!!」
ユリア「ピーピーうるさいわよお前ら!!!!」
ユリアの声が響き渡った。
ペトラ「!ユリアさん!!兵長!!エレンに近寄りすぎです!!離れて下さい!!!」
ユリア「黙れペトラ。次大声を出したらお前のその口を裂く。」
スッとナイフの先をペトラに向けるユリア。
ペトラ「っ・・・!」
エレン「ユリアさん・・・!?」
ユリア「エレンも落ち着いて。」
ユリアはエレンの隣に立つと、エレンの背に手を添える。
ユリア「平気。誰も死んでない。」
エレン「・・・ユリア・・さ・・・。」
「エーーーレーーーーーンッ!!!!」
エレン「ハ、ハンジさん!?」
ハンジ「マーレ何で寝てるの!?いや、そんな事より!!その腕触っていい!?いいよね!!?」
エレン「・・・!マーレさん・・・!」