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届かない空

第10章 準備









マーレが古城に戻ると、誰もいなかった。



思い当たる節はあったので、そっちの方へ馬を走らせる。








古井戸と小さな建物がある以外何もない草原に出ると、思った通りその場所にリヴァイ班の人々はいた。






「マーーレーーーッ!!」



こっちに気付いたユリアがマーレを呼ぶと、全員がこちらに気付いた。





マーレ「何してんだ?」
ユリア「エレンの巨人化に挑戦。失敗に終わって今に至る。」
マーレ「・・・エレン。」



スタンッと馬から降りてエレンに近づくマーレ。



エレン「マーレ・・さん・・・おかえりなさい・・。」
マーレ「痛いよな。」



スッとエレンに巻かれた包帯に手を添えるマーレ。


エレン「・・・俺・・っ!!」
マーレ「落ち着け。・・・今までに何度巨人化した?」
エレン「記録、では・・・3回です。」
マーレ「まだ力を扱いきれないんだろう。焦ると余計にコントロールできないぞ。」
エレン「でもっ!何とかしないと・・・!!」
マーレ「・・・ユリア、お茶はないのか。」
ユリア「あ、ペトラが持って来てたかも。貰ってくる!」




エレンの頭に手を置いて撫でるマーレ。



マーレ「結果は逃げない。だから、落ち着け。」
エレン「・・・すみません・・。」
















ユリア「目的がなかった事が原因?」
リヴァイ「あぁ。今までの巨人化には明確な目的があった。」
ユリア「けど、今回はただ巨人化する事が目的で、巨人化して何かをするわけじゃなかった・・・。なるほどねぇ。」
リヴァイ「お前はどう見る?」
ユリア「それだけじゃないんじゃない?」
リヴァイ「・・・。」
ユリア「エレンの精神状態、エレンの体調、環境、明確な目的・・・これらの条件は最低限必要だと思うよ?」
リヴァイ「・・・アイツ自身の事は俺にはどうしようも出来んな。」
ユリア「体調は私にもどうしようもないかなぁ。精神を安定させる事くらいなら出来るけd」




ドォンッ!!!と辺りに響いた轟音。
そのあと続け様に吹いた突風。




バッと後ろを向くと、首のない上半身だけが巨人化していた。








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