第10章 準備
「アルミン。」
アルミン「!マーレさん!!」
マーレさんを憲兵団から取り戻して1か月。相変わらず細いけど、1か月前よりはマシになった。
髪もいつの間にか切っていて、昔のマーレさんに戻りつつある。
人類最強の双子と呼ばれていた、あの頃に。
マーレ「次の壁外調査、アルミンと一緒に行動することになった。宜しく頼む。」
アルミン「!ぼ、僕ですか・・・!?」
マーレ「?あぁ。」
マーレさんは、強い。きっと今のマーレさんにも僕は戦いを挑んだら負ける。それは恐らく、ジャンやエレンも一緒だと思う。
それでいて、マーレさんは綺麗だ。調査兵団の本部に来る時はいつも兵士達はソワソワしている。マーレさんを一目でも見たい、らしい・・・。
そんなマーレさんと、今度の壁外調査で一緒に・・・!?
アルミン「僕なんかで、いいんですか・・・?ユリアさんとは一緒じゃないんですか??」
マーレ「ユリアと班が違う。・・・知ってる人がいいと頼んだんだ。」
アルミン「でも、それじゃあハンジ分隊長とか、リヴァイ兵士長もいらっしゃいますし・・・!」
マーレ「ユリアはリヴァイ班。ハンジさんは俺が断った。・・・面倒だ。」
少し嫌な顔をするマーレさん。この1か月でハンジ分隊長はマーレさんに何をしたんだろうか・・・。
アルミン「そ、そうだったんですか・・・。」
マーレ「団体行動が久々で勝手が分からない。壁外調査の概要も聞かなかったし、いろいろ教えてくれ。」
アルミン「聞かなかったんですか!?・・・寝てました?」
マーレ「寝ていた。」
あぁ、やっぱりか。なんて思っていると回りがザワザワとしている。・・・しまった、ここ食堂だった・・。
今は昼時で、多くの兵士達が食堂でご飯を食べている。そんな中にマーレさんを放り込めば好奇の目に晒される事なんて分かりきっていたのに・・・!
ミカサ「アルミン、マーレさん、一緒に食べない?」
アルミン「ミカサ!」
マーレ「・・・いや、俺は・・。」
ミカサ「食べたい。一緒に。」
マーレ「・・・分かったよ。」