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届かない空

第9章 不安














マーレ「立体機動装置の付け方を忘れた。手伝ってくれ。」


エレン「・・・えー、と、あの・・・マーレ、さん?」







ある日目を覚ましたら、マーレさんが椅子に座って寝てて、慌てて起こしてみたら、そう言われた。






マーレ「4年も付けてないと忘れるものだな・・・。」
エレン「あの、マーレさん。」
マーレ「ユリアにも聞いたが、アイツもしばらく付けてなかったから忘れたと言われてな。困った。」
エレン「あのっ!マーレさん!!」
マーレ「・・・何だ。エレン。」
エレン「立体機動装置云々の前に、体調大丈夫なんですか!?」





エレンの目の前にいるマーレは相変わらず自分よりもはるかに細い。腕なんて骨と皮しかないのではないか?





マーレ「なんともない。寝すぎた。」
エレン「寝すぎたって・・。」
マーレ「付けて少し飛び回るくらい何ともない。」

エレン「・・・ちょっとだけですからね。」






エレンはマーレにベルトの締め方を教えながら、ふと気づいた。



エレン「マーレさん、髪邪魔じゃないんですか?」
マーレ「・・・あぁ、立体機動には向かないか。これ。」



マーレは何処からともなくナイフを取り出し、ザックリと髪を切り落とした。





エレン「・・・うえぇええっ!?」

マーレ「ふむ。やはり長いせいで重かったのか。」
エレン「ナ、ナイフで!?」


マーレはそのまま反対側も切り落とす。



マーレ「・・・こんな物か?」


エレン「・・・ぁ・・。」




髪を切ったマーレは、4年前まで会っていたマーレに少し近づいた。





マーレ「よし。エレン、飛び方もついでに教えてくれ。」
エレン「え、そこもですか?」
マーレ「実は訓練兵の頃からまともにコレを使って飛んでなくてな。」





そっちの方が凄いよな?と思いながら、エレンは自身も立体機動装置を付ける。












エレン「大体、こんな感じですね。」




スタンッと着地しながらマーレにそう告げるエレン。



マーレ「ん。ありがと。」

エレン「あ、でもあんまり体に負担かける態勢はやめといた方g」




エレンが話しかけている間に、マーレは立体機動装置で飛んで行ってしまった。





エレン「え、ちょ、マーレさん!?」






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