第2章 訓練兵
エレンSide―――――
エレン「やめろぉぉぉおぉおおおおおおおおおっ!!!」
巨人が、母さんを家の瓦礫の中から取り出して食おうとしてる。
叫んだって、巨人には届かない。
助けなきゃ、死んでしまう。
母さんが、死ぬ。
そんなのは嫌だ!!!!
ミカサ「・・・!エレン!」
ミカサに名を呼ばれてハッと顔を上げると、母さんを持ち上げてる奴の後ろに、人がいた。その人は、巨人の首を落とすと巨人の手首も切り落として母さんを抱き抱えて地面に降りて来た。
その光景にハンネスさんも呆然と見てて、俺はハンネスさんから飛び降りた。
ミカサも飛び降りて、俺の後ろを追いかけて来る。
ハンネス「おいこら!!エレン!!ミカサ!!」
そんなハンネスさんの声なんか無視して、俺は母さんの元に走る。
「・・・子供は怪我なさそうだな。」
そう言った男の人。
エレン「母さんっ!!」
カルラ「エレン・・・!」
ソッと男の人に降ろされた母さんに、俺は抱き付いた。
エレン「ごめん母さん・・・!俺・・!!!」
カルラ「・・・いいのよ。気にしないで。」
スッと俺を離すと、
カルラ「ありがとうございます・・・!本当に、ありがとうございます!!」
「・・・死ななくて良かったな。」
目の前にいる男の人は、穏やかに笑ってそう言った。
「歩けないのだろう。」
そう言われて、ハッとした。
母さんは、瓦礫に足を潰されたせいで歩けない。
「そこの駐屯兵団の人間に送ってもらうといい。」
カルラ「は、はい・・・。」
そう言うと、男の人はくるりと背を向けて行こうとする。
エレン「あ、あの!!!俺、エレン・イェーガーって言います!!母さんを助けてくれて、ありがとうございます!」
ミカサ「・・・ミカサ・アッカーマン。」
エレン「貴方の名前を、教えてくれませんか!?」
男の人はくるりとこちらに向き直って、笑ってくれた。
「マーレ。生きろよ、少年達。」
俺達の頭を撫でると、その人は行ってしまった。
そういやあのひと、ジャケット羽織ってなかったな・・・。