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届かない空

第2章 訓練兵











壁に上り、訓練兵達はシガンシナ区に向かう。誰もが立体機動装置で向かう中、20班だけは走って向かっていた。





「ねぇ!何で立体機動使わないのよ!!せっかく持ってるのに!!」


ユリア「バカじゃないの?壁壊されたって事は巨人の相手をいっぱいしなきゃなのに、今から使ってどうするの。」



「でも!!早く行かないと民衆が!!」





マーレ「じゃあお前らは最短最速で行ける距離を知っていて、ガスを消費しない方法を知ってるのか?」


「!」


マーレ「いいから黙って走れ。」












走って着いたシガンシナ区。




他の訓練兵達はユリア達より先に向かったはずなのに、誰もいる気配がない。





「な、んで・・・。」

ユリア「だって、これいつもの脱走ルートだし♪」




ジャキンッと刃を構えるユリア。






マーレ「・・・随分と壊されたもんだな。」
ユリア「そうみたい・・・。」




タンッと壁を降りて行く二人。




「あ、ちょ、ちょっと!!」

ユリア「あとは私達がいない方が連携が取れるって話してたし、私達は抜けるよーん。」



その言葉にハッとしたのか、何も返してくる気配がない。






ユリア「殺せばいいんでしょ?生かさなくていいんでしょ?」
マーレ「殺せ。」
ユリア「もちろんっ!!」




そう言うと、ユリアはマーレの傍から離れた。


近くで何かを斬る音が聞こえる事から、巨人を殺しに行ったのだろう。







「やめろぉぉぉおぉおおおおおおおおおっ!!!」



そんな悲鳴に近い子供の声が聞こえて、そちらへ飛ぶ。




女の人が巨人に掴まれている。
まだ、生きてる。





マーレ「・・・生きてる人類を喰うなよ。気持ち悪い。」



巨人の背後からうなじをザックリと切り落とし、巨人の手首を切り落として女性を抱き抱えて着地したマーレ。




「・・・あ・・!」




「母さんっ!!!」

「おいこら!!エレン!!ミカサ!!」



エレン、ミカサと呼ばれた子供達が駆け寄って来る。

声からして、エレンという子が先ほどの叫びの主だろう。





マーレ「・・・子供は怪我なさそうだな。」






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