第2章 訓練兵
300人志願した訓練兵。
3年の間に半分近くの177名にまで減っていた。
ユリア「マーレ、競争しよ。」
マーレ「またかよ?」
ユリア「だって、暇なんだもん。」
卒業間近の訓練兵達。テストはまだ終わっていないが、今は何も指示を与えられていないのだ。
ユリア「遊びたい。」
マーレ「・・・仕方ねぇな・・。」
すくっと立ち上がってナイフを用意するマーレ。
ユリア「そうこなくっちゃ!!」
ユリアもすくりと立ち上がってナイフを用意する。
二人の遊びはいつもこうだ。
立体機動装置を使用して遊ぶと後が面倒だという事を十分に分かっている二人はナイフを何本も用意し、それを投げ合って遊ぶのだ。もちろん、他の人に当たっては困るからといって立体機動装置を用いて行われる木々の生い茂る訓練場で行う。
ドォォォオオオンッ!!!!という轟音が聞こえて、二人は立ち止まった。
ユリア「・・・何の音?」
マーレ「・・・あっちだな。」
マーレの指差した方角に、煙が上がっている。
ユリア「あっちは・・確かシガンシナ区だよね。」
少し時間が経ってまた、先ほど以上の轟音が響いた。
「何だ!?何が起こってる!?」
マーレ「・・・ユリア。」
ユリア「そうみたいだねぇ。」
二人はナイフをしまい、ベルトを装着し終えた。
教官「貴様ら!!すぐに準備をしろ!!巨人が壁を破壊した!!」
どうやら現場にいたらしい教官が上空から立体機動装置を使って降りて来た。
教官「速やかに班を作る!!1班!~~~~~!」
どんどん名前を呼ばれ、班が作られていく。
教官「20班!ユリア・キール!マーレ・キール!!~~~~!!」
20班はユリア達を含めて6人。
ユリア「・・・何人生き残るのかな。コレ。」
ペロリと舌なめずりをするユリア。
マーレ「さぁな・・・半分くらいは生き残らねぇとこれからの兵団が面倒だろうぜ。」