第7章 古城
ハンジ「マーレ・キールがいる場所は、ウォール・シーナにあるこの建物だ。」
リヴァイ「・・・おい、ここは・・。」
ハンジ「そう。お察しの通り、憲兵団の旧宿舎。ここ2カ月くらいの間にこの場所に移動させられたみたいだ。」
ユリア「・・・それで、どうするっていうの。」
ハンジ「エルヴィンが次の壁外調査の資料を王都に持ち込む日。この日に作戦を実行するよ。エルヴィンと私は一緒に王都に向かう。リヴァイは特別作戦班を連れて壁を越えて来てくれ。」
リヴァイ「・・・分かった。」
ハンジ「他にも、まだ憲兵団達に顔の知られていない104期生もウォール・シーナ内に潜入してもらうつもりだ。」
エレン「!」
ハンジ「もちろん、立体機動装置は付けて行ってもらう。」
ユリア「・・・なるほど。大体分かったわ。」
エレン「え、でもユリアさんの名前はまだ・・・。」
ユリア「私は囮になればいいのでしょう。憲兵団の連中の気を引くための。」
ハンジ「・・・あぁ。」
ユリア「それが一番手っ取り早く憲兵団の気を引ける。・・・この場所から遠い方がいいかしら?」
ハンジ「・・・ユリアさん。この日、何か予定がありませんでしたか?」
ユリア「・・・随分と調べて来たみたいね。いいわ。参加してやろうじゃない。」
ペトラ「?何に参加するんです??」
ユリア「貴族共のやってる舞踏会。民衆から巻き上げた金でやってる堕落した人間達の塊。」
ペトラ「・・・舞踏会ってそう表現するものじゃないと思うのですが・・・。」
ユリア「何人憲兵引き付けたらいいの?50?それとも100かしら?」
ハンジ「い、いや・・・憲兵達を君の方に意識してもらえれば引き付ける必要は・・・。」
ユリア「・・・ま、いいわ。」
ユリアは空を見上げた。
ユリア「・・・後悔させてやる。これまでの事を一生忘れさせてなんかやらないんだから・・。」