第6章 審問
エレンSide―――――
ハンジ分隊長が部屋からいなくなったと思ったら、女の人を抱き抱えて部屋に戻って来た。
その女の人は、ユリアさんだった。
頬を紅く腫らしていた。
エレン「ユリアさん・・・!?」
ユリア「・・・エレン、くん・・。」
エレン「何があったんですか!?何でユリアさんがケガして・・・!」
俺が言い終わる前に、ユリアさんはハンジ分隊長から飛び降りると俺に飛びついた。
エレン「・・・ユリア、さん・・?」
ユリア「エレン・・・エレンくん・・・っ!!」
ユリアさんが泣き出した。
4年前は、こんなに不安定な人じゃなかった。
一体、何で・・・。
ハンジ「・・・リヴァイの予想通り・・憲兵団に、脅されてたみたいだよ。4年の間。」
・・・脅されてた・・?ユリアさんが・・・?
俺がユリアさんに触れると、ユリアさんは更に俺にしがみついてきた。
ユリア「エレ、ンくん・・ミカサ、ちゃ・・・アルミンくんは・・・マーレみたいに、ならない、で・・。」
グスグスと泣きながら、ユリアさんは言う。
背中を撫でていると、しばらくしてユリアさんから寝息が聞こえてきた。
リヴァイ「・・・で、憲兵団に脅されてたってのは、どういう事だ。」
ハンジ「さっきの会話から察するに、ウォール・シーナから出る事を禁止されていた。憲兵団に所属する事を強制された。マーレ・キールは何処かに閉じ込められている。ユリア・キールを貴族などの集まる社交場に出して金品を集めていた。・・・ってとこかな。」
リヴァイ「・・・人類最強の双子を、随分な扱いしてやがんな。」
ハンジ「この子、かなり顔は広いと思う。憲兵と同じ事を言いたくはないんだけど・・・整った顔立ちしてるし、身体も出るとこは出てるしね。・・それに、明るい性格だ。気を引かれないわけないだろう。」
エレン「・・・。」