第6章 審問
「なぜウォール・シーナの壁を越えた。」
「巨人が見えたから。」
「なぜエレン・イェーガーの取引に邪魔を入れた。」
「エレンが大事だから。」
「なぜエレン・イェーガーをリヴァイ兵士長と監視する事を認めた!ユリア・キール!!」
バシッとユリアは頬を思い切り殴られた。
ユリア「・・・そうしなければ、エレンを生かせなかった。そうしなければ、更に疑いがかけられるだけ。」
憲兵1「マーレ・キールがどうなってもいいという事だな?」
ユリア「・・・マーレだって・・巨人が見えたら殺しに行くわ。私達は兵士だから。」
憲兵1「お前は憲兵団所属だ。調査兵団へは行かせない。」
ユリア「そうすれば貴方達の愚行が世の人々に知れ渡るだけ。マーレを閉じ込めて、私を人形のようにさせたがった、貴方達の愚行が。」
憲兵1「黙れ!!でなければマーレ・キールを殺すぞ!」
ユリア「・・・調査兵団には行く。エレンと一緒。」
憲兵1「・・・我々の指示に逆らうと?」
ユリア「ダリスが決めた事。それを逆らわせる権利は貴方達にない。」
憲兵1「っ!うるさい!黙れ黙れ黙れっ!!」
グイッとユリアの髪を引っ張る憲兵。
ユリア「いっ・・・!」
憲兵1「いいか?お前は俺達の人形だ。俺達の指示に従って貴族たちにその無駄に整った顔と身体でいい顔してればいいんだよ!余計な事はすんな!!」
「なるほど。そんな事をさせていたんだね。」
憲兵1「・・・!!」
「随分酷い扱いだね。そんな事してるから恨まれるんだよ?わかってる??」
憲兵1「・・・調査兵団の奴か・・。」
ハンジ「私はハンジ・ゾエ。・・・女の子の顔に怪我させるなんて、最低だね。」
バシッと憲兵の腕を叩き落とすハンジ。
力強く引っ張られていたユリアはそのままバランスを崩し、ハンジに抱き止められた。
ハンジ「この子は調査兵団で預かる。」
憲兵1「・・・ハッ。ぬかしてろ・・。ユリア・キール。こちらへ戻って来なければ、マーレ・キールは死ぬ。それでも良ければそうしていろ。」
ユリア「・・・!」