第6章 審問
ユリア「・・・どうして、マーレ?」
ダリス「お前さんの力は認めている。だが、ユリアだけでは機嫌が良い日もあれば悪い日もあるだろう。マーレも共にというのであれば、許可を出そう。」
ユリア「・・・それじゃあ、憲兵団の思うがままにされるじゃない・・。(ボソッ」
エレン「・・・え・・?」
ユリアの呟きは、エレンにしか届く事はなかった。
ユリア「・・・じゃあ私の提案は却下ね。」
エルヴィン「ユリア・キール殿。」
ユリア「・・・何かしら、エルヴィン団長様。」
エルヴィン「貴女はマーレ・キールとずっと共に生活していたハズです。ですから、総帥の提案に賛成出来たはずです。・・・そう、4年前までなら。」
ユリア「!」
ユリアはガバッと顔を上げる。
エルヴィン「ユリア殿。私の推測が正しければ・・・貴女は、4年ほど前からマーレ・キールとは一度も会っていませんね。」
リヴァイ「・・・!」
ザワザワと審議所が騒がしくなる。
ユリア「根拠、聞かせてもらえる?」
周りが騒がしくなったことにより、冷静さを取り戻した様子のユリア。
エルヴィン「4年前のある日を境に、貴女の目撃情報が多くありました。貴女だけの情報です。その目撃現場を地図上で線を結んでいくと、こうなります。」
スッと差し出された地図。
「・・・格子・・?」
傍聴席にいた人がぼそりと呟いた。
エルヴィン「現場には向かっていませんが・・・そこに何かヒントを残しているのではありませんか?ユリア殿。」
ユリア「・・・目撃情報が私だけだったから、マーレと一緒にいない、と?」
エルヴィン「この格子の意味を、お教え願えますか。ユリア殿。」
ダリス「・・・ユリア。どうなんだ。」
ユリア「・・・たまたま、よ。いろんな場所に行きたかっただけ。」
エルヴィン「ではユリア殿。普段はウォール・シーナから出られないようですが、何故です?これも4年前からですよね?」
ユリア「住まいをシーナ内に変えたの。・・・もういいでしょ。これは私へ異端審問じゃないわよ。」