第5章 再戦
850年―――――――
ユリアは20歳になっていた。
今日もユリアはウォール・シーナからウォール・ローゼ内を見下ろす。
ユリア「はーぁ・・・。」
そう溜息をついた時だった。
ドォオォンッ!!!と、雷が落ちた。
ユリア「・・・雷雲なんて、なかった。」
バッと顔をあげるユリア。
ユリア「・・・アハ・・ッ!」
ユリアの視界で捉えたものは煙と、壁よりも高い赤い丸い何か。
ユリア「間違いない・・・。5年前と同じ巨人!!」
ユリアはスクッと立ち上がってフッ・・・とウォール・ローゼ内に落ちて行った。
ユリア「ふふふっ。あぁ早く会いたい。会いたい会いたい会いたい会いたいっ!!」
ユリアは壊れたように笑う。
マーレがいなくなって、ユリアは変わった。
ユリア「・・・マーレ。もうすぐだよ。」
地面に難なく着地すると、ウォール・ローゼまで歩き出す。
ユリア「もうすぐで・・・また、一緒に・・。」