第4章 別々
マーレ「・・・終わりました。」
憲兵1「・・・ん。上出来だろう。」
かなりの量のある書類を持って出て行く憲兵。
憲兵1「明日も任せたぞ。」
そう言い残して部屋を出て行った。
マーレ「・・・はぁ・・。」
マーレの頬にはもうガーゼもなく、包帯もなかった。
が、首には斬られた時の傷が未だに残っていた。
マーレ「・・・調査兵団・・エルヴィン・スミスに・・・リヴァイ兵士長・・・か。」
そろそろ、かもしれないな。
「・・・何だと?」
「マーレ・キールが監禁されている可能性が高い。」
「何故そう思った、エルヴィン。」
エルヴィン「彼女の行動範囲からの推測だよ、リヴァイ。」
リヴァイ「・・・ユリア・キールか。」
エルヴィン「彼女の目撃情報のある地点に点を打ち、その点を繋げると、こうなるからだ。」
リヴァイ「・・・檻、か?」
エルヴィン「あぁ。ここまで正確に描けるなんて、計画されての事だろう。・・・彼女は何かを伝えたがってる。口に出来ない何かを。」
リヴァイ「・・・あの人類最強の双子の片割れが監禁されているとは思えねぇがな。」
エルヴィン「今は君が人類最強だと民衆に言われているぞ?」
リヴァイ「・・・あいつ等には討伐数も及ばん。」
エルヴィン「しかし、彼女たちは無所属だ。歴代で唯一のだ。・・・記憶が薄れるのも致し方ない事だろう。」
リヴァイ「仮にマーレ・キールが監禁されているとしてだ。・・・何処にいると考えている?」
エルヴィン「ウォール・シーナ内の警備の頑丈なところ・・・城だろう。」
リヴァイ「・・・つまり、監禁している連中は憲兵団、もしくは王と貴族という事になるが。」
エルヴィン「そういう事だろう。・・・時が来れば、彼女と接触できるかもしれないな。」