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届かない空

第3章 無所属









ユリア「・・・。」




憲兵1「あぁ、金銭面も援助しよう。・・・悪い話じゃないだろう?安全な内地に住めて、金にも困らない。貴族様よりいい御身分だ。」


ユリア「・・・ふふっ・・。」


憲兵3「・・・?」



ユリア「アハハハハッ!!!」




突如お腹を抱えて笑い出したユリア。




憲兵4「な、何がおかしい!!」
ユリア「だって・・・ふふっ!そんなのもので私がはい、わかりました。なんて言うわけないじゃない。」


憲兵1「・・・マーレ・キールに傷が増える、と言ってもか。」
ユリア「すでに傷がある。・・・私をそんなに怒らせたいの?」

憲兵3「交渉に応じなければ、マーレ・キールは殺す。」

ユリア「交渉に応じても、貴方達は私にマーレを返してくれない。・・・違う?」
憲兵1「・・・。」






ユリア「マーレを返して。」







憲兵3「・・交渉は、決裂か。」



スラッと刃を取り出す憲兵。







マーレ「・・・ぅ・・。」




ユリア「・・・マーレ?マーレッ!!」



マーレが意識を取り戻した。






マーレ「・・・ユリア・・?」


ユリア「マーレ!帰ろう!私達の家に!!」




スッとマーレの首元に刃を向ける憲兵。



憲兵3「一言も喋るな。でなければお前の首が飛ぶ。」

マーレ「・・・。」








憲兵1「・・・もう一度だけ問う。ウォール・シーナ内に居住し、我々の指示に従う気はあるか?」

ユリア「ないわ。マーレが隣にいないもの。」




マーレ「・・・なるほど、な。」
憲兵3「喋るなと言っただろう!!」

グッとマーレの首に刃が刺さる。



マーレ「従っても従わなくても、俺らは一緒に暮らす事を認められないわけだ。」

憲兵3「黙れ!!!」

ユリア「マーレッ!!!」


ユリアはナイフを取り出して投げた。
ザクッと見事に憲兵団の右手甲を突き刺した。


憲兵3「ぐぅ・・・っ!!」






思わず憲兵は刃を手放した。



マーレの首から、タラリと紅い血が流れだす。




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