第3章 無所属
憲兵の後を追いかけて来てみれば、ウォール・シーナ内の王の住まう城に着いた。
ユリア「・・・。」
憲兵1「ここだ。」
大きな扉が開かれ、中を見ればとても広く、煌びやかな部屋。
王の謁見部屋。
ユリア「・・・。」
ユリアの見据える先には、憲兵団。
ツカツカと敷かれた赤いカーペットを踏み進む。
ユリア「王のいない謁見部屋・・・何をお考えで?」
ある程度近づくと、ユリアは立ち止まって腕を組む。
イライラを隠せないようだ。
憲兵3「ユリア・キール。マーレ・キール。お前たちの行動範囲を限定させてもらおう。」
ユリア「・・・そんな権限、アンタ達が持ってるわけないでしょ。」
憲兵4「逆らえば、コイツに傷がつくだけだぞ。」
スッと腕を上げる憲兵。
その憲兵の後ろから新たな憲兵が現れ、王の椅子にドサッとある人物を降ろした。
ユリア「・・・マーレ・・。」
ユリアの声にも反応しないマーレ。どうやら気絶をしているようだ。手首には縄が何重にも結ばれ、後ろでに回されていた。
左頬には赤い跡があり、暴行を受けたのは明らかだ。
憲兵1「お前たちの居住地も、ウォール・シーナ内の家に移動してもらう。部屋の掃除などはメイドを寄越すから心配しなくていい。」
ユリア「・・・何が目的。」
憲兵1「・・・ユリア・キール。シガンシナ区陥落の際が初陣であるにも関わらず討伐数およそ80。マーレ・キールも同じく、討伐数およそ50。」
ユリア「・・・だったら、何なの。」
憲兵1「お前たち二人で130は殺してる計算だ。調査兵団の猛者でもそんな数字を叩きだしてる奴はいねぇ。・・・つまり、お前たちは今、人類最強の双子である。」
ユリア「・・・つまり、何?私達を憲兵団に所属させていざという時は私達に盾になってもらおうと?」
憲兵1「・・・女の方が頭が悪いと聞いていたが、それくらいの予想は出来るか。あぁ、その通りだ。そんなお前たちを所属させていれば、憲兵団への支持率も上がる。」