第3章 無所属
ウォール・ローゼ内にある廃屋に住み始めて1年ちょっとが経った。
ユリア「マーレ~・・・お腹すいたぁ・・・。・・マーレ??」
トントンと階段を降りていくと、マーレの姿はなかった。
ユリア「・・・一人で壁とかには行かないだろうし・・本でも探しに行ったのかな・・。」
ユリアは用意してあった朝ごはんに手を付けた。
陽が沈んでも、マーレは戻ってこなかった。
ユリア「・・・ま、さか・・。」
ユリアはガタンッと立ち上がって服を部屋着から着替える。
茶色の無地のジャケット、キャミソール、ミニスカート。ニーハイにブーツ、といつもの格好をして家を飛び出す。ナイフを隠し持つ事を忘れずに。
ユリアは民家の家の屋根の上をタンタンッと飛びながらマーレがいないかを探す。
ユリア「マーレ・・・!」
真っ直ぐ先の教会の上に、人影が見えた。
立体機動装置を付けている影が見えたので、マーレではない事が明らかだ。
ユリア「・・・。」
あぁ、嫌な予感が当たってしまった。
ユリアはそのまま、教会の屋根上にタンッと着地した。
「待っていた。ユリア・キール。」
ユリア「・・・お忙しいハズの憲兵団様が何の用で?」
あえて、挑発的な態度を取るユリア。
後ろからの気配を感じ、ナイフを取り出してソイツの首元に刃を向ける。
憲兵2「ヒッ!?」
ユリア「・・・どういうつもりかしら。」
憲兵1「ユリア・キール。マーレ・キールに会いたければ、我々に着いて来い。」
ユリア「断れば?」
憲兵1「マーレ・キールには二度と会えんだけだ。」
ユリア「・・・わかったわよ。」
ユリアはスッとナイフを戻した。
憲兵1「立体機動装置を付けろ。」
ユリア「いらない。そんなのなくたって追いかけられるわ。」
憲兵1「・・・なるほど。」