第3章 無所属
ユリア「んー・・・。」
ぱちりと目を覚ますと、マーレの姿が見当たらなかった。
ユリア「・・・ご飯でも取りに行ったのかなぁ・・。」
しばらくして、マーレが戻って来た。
ユリア「お帰り~。」
マーレ「・・・あぁ。」
ユリア「?どうかした??」
マーレ「ずっと木の上というのもどうかと思って。」
そう、ユリア達は木の上で生活していた。
ユリア「えー・・・宿?」
マーレ「適当に部屋借りるか。」
スタンッと着地してスタスタと歩き出すマーレ。
ここはウォール・ローゼ内。
ユリア「マーレ~・・・眠い。」
マーレ「まだ昼だぞ。」
ユリア「だって夜遅かったし~・・・。」
マーレ「・・・起きろ。」
ペシッとマーレに頭を叩かれたユリア。
ユリア「痛いってば・・・。」
ユリアはてとてととマーレの後を追いかける。
マーレ「・・廃屋か。ちょうどいい。」
ギィと扉を開けると、そこには誰もおらずホコリが溜まっていた。
ユリア「お、家具残ってんじゃん。」
ひょっこり顔をマーレの後ろから覗かせたユリアは嬉しそうにはしゃぎだした。
ユリア「私2階の部屋ほしーい!」
マーレ「別に構わないから掃除から始めるぞ。」
ユリア「ふぁーい!」
ユリア達の見つけた家は、他の家から少し離れた場所にあった。
夕方になり、マーレの担当の1階は一通り掃除が終わった。
マーレ「ユリア?そろそろご飯にしないか?」
その声にバタバタと階段を駆け下りて来る音がする。
ユリア「マーレ聞いて!ベッドが残ってたの!!さっきまで天日干ししてたから今日から使えるよ!!」
マーレ「よくやった。」
ユリア「えっへん!というわけで晩御飯はマーレに任せる!」
マーレ「もう用意ならしてある。」
ユリア「はやっ!通りでいい匂いがすると思った・・・。」